#20 by ritsuo / 2014.02.27
ニュースレター

ふつうのおじさんたちニュースレター #0010

国立住基ネット切断経費裁判(控訴審:東京高裁)

関口前国立市長が「ほぼ全面勝訴」

2/26午後、東京高裁で「切断経費裁判」の控訴審判決言い渡しがあり、

  • 主文
  1. 原判決を取り消す。
  2. 被控訴人の請求を棄却する。
  3. 訴訟費用は、第1、第2審を通じ、被控訴人の負担とする。

という、地裁判決を逆転した、関口前市長の「ほぼ全面勝訴」でした(主文の「被控訴人」は現在の国立市です)。

○「ほぼ全面勝訴」と書いたのは、「切断は適法」という関口さんの主張については、高裁判決も、地裁判決の「違法」という判断を「引用」しているためです。つまり「切断は違法」だけど「支出は違法ではない」という判決でした。

○判決全文は、»こちら からダウンロードしてくださ~い。

「違法な切断」だけど「違法な支出ではない」

このあたりが、国立住基ネット裁判のややこしいところなんですが、

「財務会計法規」上は「違法な支出ではない」ので請求できないという高裁の判断だそうです(けっこう粗っぽい要約)。

地裁判決は「切断は違法だから、そのために発生した経費も違法。だから賠償しろ」という種類のものでしたが、この(ひどく直観的でわかりやすい)地裁判決の判断が、高裁では逆転したわけです。

  • …被控訴人(注:現在の国立市)が地方自治法242条の3第2項に基づく訴訟において控訴人(注:関口前市長)に対して損害賠償の請求をすることができるというためには、本件不接続が本件各支出の前提となった原因行為でありこれに違法事由が存するというだけでなく、各専決権者(注:支出命令をした担当職員:課長さんクラス)のした本件各支出自体が財務会計法規上の義務に違反する違法なものであり、かつ、控訴人(注:関口さん)において、各専決権者が財務会計行為上の違法行為である本件各支出をすることを阻止すべき指揮監督上の義務に違反し、故意又は過失により各専決権者が本件支出をすることを阻止しなかったことを要すべきである(裁判所の判断より)

この判断基準は、最高裁の判例にもとづいた高裁の整理ですが、東京地裁判決では無視されていたものでした。

この判断基準にもとづいて、

  • 年金生存確認はがきの郵送費(21,720円)
  • 住民異動データバックアップの委託費(376,320円)

のいずれも、専決権者による財務会計法規上の違法な支出とは言えないし、関口前市長に指揮監督を怠った違法もない--というのが今回の東京高裁の判決です。

○あの地裁判決はいったいなんだったのだろう?

国立市は最高裁に上告するのか?

今回の高裁判決は最高裁の判例にもとづくものなので、現在の国立市が最高裁への上告をするには、判例の適用をまちがえているなど明確な上告理由が必要になります。

国立市の側の今までの弁論内容を見る限り、国立市とその弁護団は、こうした論拠を明確にした上告理由書を書く十分な能力を持っているとは思いにくいところがあるようです。

また、今回の判決は予算審議が始まっている国立市議会でも当然議論されるものと思いますが、現在の市議会のポリティカルバランスを見ると、市による上告に議会が否定的な姿勢を示す可能性がありそうです。

ご承知のように、別件の「国立大学通り景観裁判」(上原元市長に対する3500万円の損害賠償請求訴訟。結審して昨年末判決の予定でした)について、国立市議会が「市の請求権放棄」の議決を判決前に行い、判決言い渡しが中止されて3月18日に弁論が再開される予定になっています。

こうした議決をした市議会のポリティカルバランスが「最高裁への上告」についてどのように考えるか、注目されるところです(上告手続きの期限は2週間だそうです)。

○くにたち大学通り景観市民の会ブログ

○くにたちcampaignのWebサイトにある、上原さんのスライドショーなども参照してください。

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